トーク「針と糸は物語る~現代のおとぎ話を縫う」を開催しました!
開催中の鴻池朋子展「皮と針と糸と」の関連イベントとして
トーク「針と糸は物語る~現代のおとぎ話を縫う」を開催しました。
多くの方にお越し頂き、ありがとうございました!
イベントでは鴻池朋子さんとおとぎ話の研究をしている
神奈川大学外国語学部教授・村井まや子さんが裁縫とおとぎ話について対談。
今回の展覧会に展示されている≪テーブルランナー≫は鴻池朋子さんが話し手の女性から話を聞いて下書きをし、話し手の女性が縫ったもの。展覧会では完成したテーブルランナーとしての姿しか見ることができませんが、その1つ1つに話をする・話を聞くという過程があります。
≪テーブルランナー≫の制作風景は展示室で流している動画でも少し知ることができます。
話し手である女性たちは机の上に布を広げ、机を囲いながらを制作したそうです。
美術館に来て作品を見るだけでは分からない過程を知ることができました。
トークの中で印象に残ったのが
鴻池さんの「物語とは何か」という問いに対する
村井さんの「物語とは体験をオーブンで焼いたもの」という言葉です。
そのままでは食べられないから、人が食べられるように加工されている。
人によって加工されたからこそ多くの物語が
現在に残っているのかもしれません。
展示されているテーブルランナーたちに縫われた物語の一場面も
本来なら誰にも語られず、知られなかったお話です。
今回鴻池さんが聞き、書き、話し手の女性が縫うという行程を経て
私たちは目で見て知ることができました。
展示されている作品すべてに
込められた思いや行程、関わった人などの説明書きはされていませんが
ぜひ作品をじっくり見て、作家のアイデアから形になるまでの過程を想像しながら鑑賞
して欲しいと思います。
「鴻池朋子展 皮と針と糸と」は2月12日(日)まで開催しています。
皆様のご来館をお待ちしています。
また、1月29日(日)には「学芸員によるギャラリー・トーク」を開催します。
当館学芸員とセゾン現代美術館学芸員・坂本里英子さんと一緒に展示室を回りながら
鴻池さんや作品についてお話しします。
こちらにもぜひご参加下さい。