鴻池朋子展「皮と針と糸と」

鴻池朋子展「皮と針と糸と」
会期 2016年12月17日(土) ~ 2017年02月12日(日)
開催時間 10:00~18:00 ※観覧券の販売は17:30まで
休館日 12月19日(月)、12月28日(水)~1月3日(火)、1月16日(月)、1月30日(月)
観覧料 一般 1,000円(800円)、大・高校生 800円(600円)、中学生以下無料  
前売券(10/28~12/16)一般のみ発売 800円
※( )内は有料20名以上の団体料金 
※障害者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料です。受付でご提示ください。
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 人間の思索のみに閉じるアートに強い意識改革を求め、芸術の始まりに立ち戻って人間がものをつくることへの問い直しを試みてきた鴻池朋子の個展「根源的暴力」。今回はそのVol.3として「皮と針と糸と」を開催いたします。

 本展では、反響を呼んでいる24メートルに及ぶ《皮緞帳》を始め、鴻池作品に多く見られる”縫う”という行為に焦点を当てます。ホモ・サピエンスが5万年前に針という道具を発明し、防寒服をつくり世界中へ旅立ってから今日まで続く裁縫は私たちの中に手芸として息づき、一方、美術からは劣るものとして周縁に押しやられてきた日常の手仕事です。しかしそこには、私たちの体内に封印されてきた痛みや喜びが豊かに縫い繕われ、新たな声となり外界へと解き放たれる力が潜んでいます。「人間がものをつくり生きていくということは、自然に背く行為であり根源的な暴力です」と、鴻池は再帰的な矛盾を投げかけ私たちを挑発します。ここ新潟の土地の手触りとともに、その芸術の問いを観客とともに考え、紡いでいきます。

*本展覧会では、会場内での写真撮影が可能です。

鴻池朋子(こうのいけ・ともこ)略歴

1960年秋田県生まれ。1985年東京藝術大学日本画専攻卒業後、おもちゃのデザインを経て、1998年より様々なメディアを用いて、現代の神話を壮大なインスタレーションで表現している。2011年の東日本大震災以降、人間と自然の関係性において深く悩み、それまでの制作を一旦中止し、動物-人間学、おとぎ話、考古学、人類学、民俗学などの分野の研究者と対談とコラボレーションを重ねる。2015年の「根源的暴力」展では、皮や粘土などの素材を用いた作品を発表し、人間の思索や現象のみに閉じてしまっているアートに強い意識改革を求め、芸術の始まりに立ち戻って、人間がものをつくることへの問い直しを試みた。現在は、アートが人間のためだけのものではなく、動物や自然や人間以外のものに向かっても開かれていくように考察を続け、作品を発表している。

出品作品より

鴻池朋子《皮緞帳》展示風景(群馬県立近代美術館)2016年 ©Tomoko Konoike  撮影:宮島径

H600×W2400cm   |  牛革、クレヨン、水彩

 

鴻池朋子《皮緞帳》(部分) 2015-16年 ©Tomoko Konoike  撮影:宮島径

牛革、クレヨン、水彩

 

鴻池朋子《皮絵 赤い水》2015-16年 ©Tomoko Konoike  撮影:宮島径

H300×W263cm|牛革、ミクストメディア

 

鴻池朋子展「根源的暴力Vol.2 あたらしいほね」展示風景(群馬県立近代美術館)2016年 

©Tomoko Konoike  撮影:宮島径

 

鴻池朋子《風が語った昔話》2015年 ©Tomoko Konoike  撮影:宮島径

H238×W220×D3cm |  ミクストメディア

 

 

鴻池朋子《着物 鳥》2015年 ©Tomoko Konoike  

H327×W203cm |  羊毛フェルト、鳥の羽、布

 

鴻池朋子《planet #1 first words》2013年 ©Tomoko Konoike

H60×W50×D50cm |ミクストメディア(FRP、スタイロフォーム他)

 

鴻池朋子《素焼粘土》2015年 ©Tomoko Konoike  撮影:宮島径

素焼粘土、水彩

 

鴻池朋子《狼頭巾》2014年 ©Tomoko Konoike  

H40.7×W57.5×D2.2cm|鉛筆、紙

 

会期中のイベント

鴻池朋子 アーティスト・トーク


日時:12月17日(土) 14:00 ‒ |展示室にて|申込不要・要観覧券

 

 

アートコンプレックス&トーク「冬の遠吠え」


山川冬樹を迎えて、私たちの内奥に眠る動物の声を覚醒させ、美術館全体に新たな身体感覚の通路を出現させるひとときです。

出演:山川冬樹(ホーメイ歌手・アーティスト)、鴻池朋子

日時:12月23日(金・祝) 14:00‒16:00 展示室にて|要観覧券

着席希望の方は要申込( 先着50名。12/1から受付開始。 Tel:025-290-6655)

*イベント開催中、展示室内で音や照明の演出があります。

 

 

トーク「針と糸は物語る~現代のおとぎ話を縫う」


村井まや子(神奈川大学外国語学部教授 比較文学・おとぎ話)と鴻池朋子による裁縫と物語と現実の不思議

を巡るトーク。

日時:1月21日(土) 14:00‒ |展示室にて|要観覧券

着席希望の方は要申込( 先着50名。12/1から受付開始。TEL 025-290-6655)

 

 

ワークショップ「アートの初めてのおつかい」


参加者が、ナビゲーター(学芸員)から頼まれた”おつかい”を作品から持ち帰り、語り合うワークショップ。

日時:1月8日(日) 14:00‒16:00 |展示室にて|申込不要・要観覧券

 

 

学芸員によるギャラリー・トーク


ゲスト:坂本里英子(本展企画者、セゾン現代美術館学芸員)

日時:1月29日(日) 14:00‒ |展示室にて|申込不要・要観覧券

 

 

NIIGATAアートリンク2016台紙

 

 

■主催

新潟県立万代島美術館/新潟日報社/NST 

■後援

新潟市/新潟市教育委員会/NCV新潟センター/エフエムラジオ新潟/FM PORT 79.0/

FM KENTO/ラジオチャット・エフエム新津/エフエム角田山ぽかぽかラジオ/

エフエムしばた/燕三条エフエム放送株式会社 

■企画協力

一般財団法人セゾン現代美術館

■協力

VOLCANOISE/新潟県立美術館友の会