「岡本太郎展 太陽の塔への道」展示室のご案内 その1

 

テレビのバラエティー番組やCMにも登場し、「芸術は爆発だ!」のフレーズで広く知られる岡本太郎。

では、彼がどのような作品を残したか、ご存じですか?

開催中の展覧会は彼の絵画、立体、写真、そして代表作《太陽の塔》に込められた思想に迫る大規模回顧展。

展示室の画像とともに、その内容をご紹介します。

 

1970年の大阪万博で、岡本は万博のテーマ展示「人類の進歩と調和」の総合プロデューサーに就任しました。

太陽の塔は万博のシンボルとして作られた訳ではなく、単なる巨大彫刻でもなく、

地下、地上、空中の3つのゾーンからなる彼の壮大な展示構想の一部だったのです。

万博終了後、塔の内部は閉ざされましたが、再生プロジェクトによって蘇り、

2018年から一般公開されています。

現在の姿も精巧な模型となり、会場では1970年版の模型と比較しながら細部をご覧いただけます。

太陽の塔の内部には生命の進化を視覚的に表現した高さ41mの《生命の樹》が立っています。

ただし、上に位置している進化を経た生物ほどえらい、ということを示している訳ではありません。

岡本はアメーバが好きでした。

そのココロは「単細胞生物こそ素晴らしい。変幻自在、自由自在に生きている。」

 

 

 

10代でパリへ渡った岡本太郎。日本での活動は30代半ばからでした。

激しい色彩の作品で終戦直後の画壇へ異議を申し立てると、業界からは酷評された後に無視されます。

それでも新聞等で自身の考えを発信し続け、大衆からの人気が高まりました。

 

 

「芸術は呪術である」と語った1960年代、作品に黒いモチーフが現れます。

何を意味しているのかわからなくても、展示室で作品に囲まれると、

理屈ではなく感覚に直接訴えかけてくる岡本作品のエネルギーを体感することができるはず。

 

 

 

日本、そして自身の文化的ルーツを探し求めた岡本太郎が撮った写真。

岡本作品から受ける印象とは全く異なることに驚きます。

縄文土器や、東北各地の古くからの風習、沖縄の風景と人々に向けられた

岡本のまっすぐな眼差しを会場でご覧下さい。

 

 

 

まだまだ会場は続きます。

回をあらためてご紹介しますので、どうぞお楽しみに!

 

一部の作品を除き、会場では写真撮影が可能です。

「岡本太郎展 太陽の塔への道」は3月7日(日)まで。

2月1日、15日は休館日です。

会期後半は混雑が予想されます。

お早目のご来館をお待ちしております!