清水寺学芸員の坂井さんによるギャラリートークを開催しました。

 本日は、清水寺の学芸員さんであります坂井輝久さんに、ギャラリートークをお願いしました。坂井さんは京都新聞で長らく要職を歴任されたのち、2012年から清水寺の学芸員としてお勤めになっておられます。江戸時代から一度も開扉していない清水寺奥の院の三面千手観世音菩薩座像を、仏師で仏像修復士である西村公朝さんが2000年に調査し、それがきっかけで文化庁の調査で重要文化財に指定されたというお話、それから、朝倉堂の文殊菩薩騎獅像は、元は縁結びの神様で有名な地主神社(清水寺の鎮守です)にあったものが、明治政府の神仏分離・廃仏毀釈政策にともない、清水寺に移ってきたものであるというお話などなど、たいへん興味深いお話を聴かせて下さいました。

ところで新潟のみなさんは十日町市(旧・川西町)にあります長徳寺というお寺はご存知でしょうか?越後三十三観音の第十番札所である長徳寺は、清水寺とは宗派は異なりますが、清水寺同様に坂上田村麻呂が関係しており、千手観音像を本尊として安置したのが始まりと伝えられています。この観音像は清水寺の本尊と同木の姉妹仏ともいわれています。その長徳寺の千手観音も秘仏でして、実は今年2013年が33年に1度の御開扉で、10月11日までの33日間、御本尊の千手観音像を見ることができます。清水寺展をご覧になられた後は、こちらもいかがでしょうか。見逃すと、次回は2046年(平成58年)です。